
中央大学では、これからの時代が求める人材を育成すべく、文理を問わず全学部生を対象に「AI・データサイエンス全学プログラム」を開設し、新たな価値を見出す人材の育成を推進しています。
今回の講義においても、文理を超えて様々な学部から学生が参加してくれました。

今回は、3回にわたって「DX(デジタルトランスフォーメーション)」をテーマにそれぞれの切り口から話をしてきた講義の最終日となります。
1回目、2回目では、企業が抱えるDX人材の課題やデータ活用人材の育成について説明や紹介が行われ、3回目となる今回は、「AI・データ活用による課題解決に関する議論」と題して、リアルとオンデマンドによるハイフレックス形式で開催されました。リアルでは7名、オンデマンドでは約50名が参加しました。
講義では座学に加え、ワークショップ(個人ワーク、グループワーク)を行いました。議論を通じて仮説思考を学生に実践してもらいながら、その重要性を感じてもらうことが目的です。
・仮説思考の方法とポイント(前回の振り返り)
まずは、前回までの振り返りも兼ねて仮説思考について説明がありました。
ビジネスにおいては、時間や情報が限られた中で判断をしていくことが求められます。また、仮説を立てて検証することを繰り返す中で、本質的な課題を見つけていく必要があります。データを使って仮説の妥当性を検証し、仮説が妥当ではないと判断した場合、別の仮説を立てて検証します。
さらに、「どのようなデータを使えばその仮説を検証できるのか」を考えていくことも重要です。仮説はあくまでも仮の結論であり、自分の主観も含まれるため、データによって根拠を示します。
今回のワークショップでは、仮説思考のフェーズのうち、
- どのような仮説が立てられるか?
- どのようなデータがあればこの仮説を検証できるか?
ここで、講師から仮説の立て方について2つのステップを踏むと良いというアドバイスがありました。
ステップ1は仮説を立て方についてです。
自分がお客さんの立場だったら、上司だったらというように、自分以外の視点に立って考えてみる方法、「晴れの日によく売れるものは雨の日には売れにくいのでは」というように反対のことについて考えてみる方法、それからビジネスで用いられる3C分析、PEST分析のようなフレームワークを用いる方法などが紹介されました。
そしてステップ2は、立てた仮説の磨き方です。
ある程度たくさんの仮説が出てきたら、そこで終わらせず、「なぜ?」を繰り返し考えることで、仮説の内容をより深く本質的にしていくことができます。他の人とのディスカッションも重要で、自分だけでは気が付かなかった視点を得ることができたり、自分の仮説をより深めたりすることができます。

・ワークショップの様子
今回のワークショップは「とある大学において、人気度や倍率を高め、優秀な学生に集まってもらうためにはどうすればよいか」というテーマでした。
【どんな仮説が立てられるか】
まずは、どういった要因や課題が考えられるのか、個人ワークとグループワークを通じて仮説を出してもらいます。
仮説を考えるうえでは、正しいか正しくないかではなく、様々な観点から仮説を出すことが重要となるため、プラスに働くもの、マイナスに働くもの、それぞれ考えた仮説をたくさん出してもらいました。
参加した学生は、それぞれ少人数のグループに分かれ「大学の人気度に影響しそうな要因」について話し合います。
発表では、学部学科や学費、進学率など学業に関連するもの、SNSやホームページ、スポーツ支援等を活用した広報に関連するもの、通学環境や大学施設など設備に関するものが仮説として挙げられていました。また、インターンシップ・留学・資格取得などの課外活動へのフォローの手厚さや、学費補助などの経済支援等が大学の競争力や人気に影響するのではないか、という仮説も出ました。
SNSによる広報活動や学校の設備・環境に関する意見など、学生ならではの視点で考えられたものが多くあり、講師メンバーからは「その視点はなかった」という声もありました。
また、アドバイスとして「これから大学に入る高校生だけでなく、その学費を支払う保護者の視点も取り入れるとより考えの幅が広がり、現実的になる。また、大学生活4年が充実するだけでなく、そのあと社会でも活躍してもらいたいという思いに対して、就職支援やキャリア支援というキーワードもあるはず」というフィードバックには、学生たちも納得の表情でうなずいていました。

次に、先ほど各グループで挙げた仮説に対して、どのようなデータがあればそれを検証できるかについて議論しました。こちらも、個人ワークののち、グループワークを通じて考えを深めていきます。先ほど同様にそれぞれの意見を出し合いながら、時折講師メンバーからのアドバイスをもらい、グループの意見をまとめていきます。

また、設備についてはキャンパスごとの学生の満足度、志望度における施設の充実度の重要性(意識調査)、近隣大学との満足度比較などが挙げられ、やはり学生の皆さんにとって、立地や学びの環境はとても大きな要素なのだと感じました。
それに対してフィードバックでは、
「さっきよりも現実的になってきて、いい発表だった。今日の授業が終わっても実際にできる範囲でデータを調べてみて、自分たちの仮説がどうだったかを検証してみてもらいたい。」
「実際だと、立地条件があまり良くないキャンパスでもすごく人気があるところもあるので、そういったところはなぜ人気があるのかを調べてみるのも面白いかもしれない。」
「先ほどのアドバイスの視点をすぐに取り入れていた点が良かった。また、アンケートを取る方法もあるが、そうするとコストがかかることもあるため、まずは現状で確認できるデータから調べていくのもよい。」
等のアドバイスがありました。
・仮説思考の仕上げは各自がレポートで提出
当日の講義では、仮説の立案と検証データの考察までを行います。あとはレポートにて、仮説を検証した結果得られた情報をもとに、どうすれば学生の志望度を高め、入学者数を増やすことができるか方法を自分なりに考えて施策案を提出する、という流れになります。
最後に、3回の講義に参加いただいた皆さんに、マイナビとALBERTが共同開発した、
『DXがわかる!超基礎講座』を紹介させていただきました。
「DXがわかる!超基礎講座」は、就活準備サイト『マイナビ2024』にて提供されており、DXの概要や各業界におけるDX動向などの基礎知識を学習できます。(次回お申込みは10月3日予定)
マイナビの保有する人材採用・就職支援に関する知見やビッグデータと、ALBERTの持つ分析技術や専門人材育成ノウハウを活かして作られたプログラムで、専門用語の丁寧な解説や豊富な事例を用いた説明により、どのようなスキルレベルの方でも理解しやすい内容となっています。
DXの推進には様々なスキルが必要になりますが、DXにおける課題の発見や解決案の策定において仮説思考は非常に重要になります。
大学生には、これからどのような社会になっていくのか、またどのようなスキルが必要になってくるのかについて、今から知ってもらうきっかけにしていただきたいと思います。
・科目「AI・データサイエンス総合」について
(中央大学シラバス2022年度版から一部抜粋)
AI・データサイエンスを業務に適用している実務家を複数名お招きして、一連のテーマごとに授業を担当していただきます。
現代社会で解決が試みられている様々な課題に対して、AI・データサイエンスの手法が効果的に用いられた実践例と意義を、複数名の実務家から学びます。
リンク:AI・データサイエンス全学プログラムについて(中央大学受験生ナビ Connect Web)
リンク:AI・データサイエンス全学プログラム (全学連携教育機構)
また、中央大学の公式サイトでも本講義の様子について紹介されました。
科目「AI・データサイエンス総合」にて、株式会社ALBERT(アルベルト)井田 佳祐 様、巣山 剛 様、マイナビ編集長 高橋 誠人 様からの講義実施
【採用情報】
最後に、ALBERTではデータサイエンティストの採用を積極的に行っています。
少しでも気になった方は、お気軽にお問い合わせください。
The post 中央大学の「AI・データサイエンス総合」で講義を実施 first appeared on ALBERT Official Blog.